顧客ロイヤルティとは、顧客がブランドに対して感じる信頼や愛着、親近感のことを指す。顧客ロイヤルティが高い顧客ほど、継続して商品・サービスの購入を行う可能性が高く、また購入頻度や購入金額も高い傾向にあると考えられている。さらに、その商品・サービスを積極的に家族や知り合い、SNSなどを通してレコメンドしてくれることも多い。こうした集客を後押しする存在をロイヤルカスタマーとも呼ぶ。
スープストックトーキョーをはじめとする飲食店やセレクトショップを運営するスマイルズは、ユニークな方法で顧客ロイヤルティの向上に成功している。
それが、アルバイトをはじめとする従業員に対するアプローチだ。彼らは従業員(パートナーと呼ぶ)が退職したあとでもブランドとの深い関わりを持ち続けられるように、一般の顧客とは異なるパートナー経験者専用のポイントカードを配布している。このポイントカードがあれば一緒に来店した友達や家族も優待を受けられるため、辞めたあとでも店に足を運ぶきっかけが生まれる。
なによりも、このカードを持つということは、アルバイトであれ一度はブランドの理念に共感したことの証明になる。そうしたパートナーを、同社はロイヤルカスタマーとして大切にもてなす。なぜなら、ブランドの魅力をまわりに発信し続けてくれる重要なパートナーだから。
顧客ロイヤルティの向上に貢献してくれる存在は、一般の顧客のみならず、ブランドの内側にもたくさんいる。そんな気づきをあたえてくれる好事例である。