衣服やスポーツ用品などに装着して動画を撮影できるウェアラブルカメラメーカー「GoPro」は、2002年に設立されたベンチャー企業。
企業は順調に成長していき、2011年には2億3420万ドルの売上を記録した。しかし、ここからさらなる急成長を遂げた同社は2013年に約9億8570万ドルと4倍以上の収益増加をさせ、2014年5月には上場を果たした。
同社の飛躍的な成長の中心にあったのが、YouTubeによるコンテンツマーケティングだったという。
GoProの成功要因は、コンテンツの素晴らしさにあった。彼らのYouTubeチャンネルにアップされるコンテンツは、製品の素晴らしさを表現するものではなく、その製品がユーザーにもたらす素晴らしさにフォーカスしたものであった。
そして、彼らはユーザーがGoProで体験する素晴らしい瞬間をシェアできる場としてYouTubeを提供したのだ。しかも、動画のクオリティをコントロールするために、使い方をアウトドアに限定するようなプロモーションを行い、「これまでに見たことがない躍動感やスリル」を撮影してもらえるよう巧妙に誘導した。
その結果、ユーザーによって続々と投稿される動画コンテンツは、マウンテンバイクやスキーに取り付けられた映像、スカイダイバーのヘルメットからの視点など、臨場感あふれるスリリングな映像に満たされ、ソーシャルメディアを中心に数多くの動画が拡散。GoProの認知は世界的な規模で広がっていった。
コンテンツ制作費をかけることなく、見たこともない動画コンテンツが世界中で量産される。秀逸なコンテンツマーケティングによって大成功を収めた好例と言える。