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【インナーブランディングの成功事例】ANAのグループ行動指針は、社員たちの手でつくられた

CATEGORY : ブランディング成功事例

UPDATE : 2019.05.07

文責 : 一筆太郎

この記事のポイント

ANAのグループ行動指針「あんしん、あったか、あかるく元気!」

社長直轄の社員によるプロジェクトチームによって誕生

言葉を飾りにしないために行なっていること

ANAは、2012年に「ANA’s Way」と題したグループ行動指針を打ち出した。それまでの企業としての長い歩みの中で培われてきた「ANAブランド」の価値を再認識し、未来につなげるために改めて策定されたものだ。

このグループ行動指針を包括する言葉が「あんしん、あったか、あかるく元気!」。この言葉は、社長直轄の社員によるプロジェクトチームによって生まれた。社員自身が自社のサービスやブランドのあり方を徹底的に考え抜いた結果、この言葉にたどり着いたのだ。そのプロセスでは、多くの社員がこのプロジェクトチームに参加し、多くの時間が費やされたという。

ANAグループのサイトでは、このグループ行動指針を、「ANAらしさ」を自分たちが探した結果たどり着いたと発信している。この指針は、広告等を通じて顧客のANAに対する期待を高めただけではなく、ANAで働く全社員の「自分たちらしさ」を定義づけた。

ANAは、この言葉が意味する価値観を全グループ社員に浸透させるための様々な取り組みを行っている。社員の仕事への想いや姿勢、満足度を分析し改善する「グループ社員意識調査」や「ANA’s Way 遂行度評価制度」は「ANA’s Way」の実践を強化。また、社員一人ひとりがANAグル―プの歴史を学び、あるべき姿を再認識する研修「ANA’s Day」は、日本国内のみならず海外の全支店でも展開され、社員の自ら実践しようとする意識を高めることに成功している。ANAグループの歴史展示施設の設立も、その取り組みのひとつと言えるであろう。

さらに、こうして高まった社員の意識を日常での行動に結びつけるために、ANAは顧客から集めた声をデータベースに落とし込み、その中からサービスに関する課題を抽出する。あくまでも、「顧客の視点」を元にすることで、社員の日々の行動や意識が可視化するのだ。そして、社員へのインナーブランディングがなされているかどうかの確認をしているのである。

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