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【アンバサダーマーケティングの成功事例】ファンの積極的な情報発信で成功

CATEGORY : ブランディング成功事例

UPDATE : 2019.05.13

文責 : SINCE.編集部

この記事のポイント

消費者を「大使」にする事で新たな市場を開拓した

ファンが自分の職場に採用し、新たなファンを呼んでくれる

ファン同士のコミュニティが生まれ顧客が離れづらくなる

アンバサダーとは、「大使」「使節」を意味する語。アンバサダーマーケティングはブランドをPRする際に不特定多数の消費者に対して情報発信をするのではなく、特定の支援者にターゲットを絞り、彼らを自社ブランドを応援してくれる“大使”と捉えることで、彼ら彼女らを通じて消費者に情報発信をしてもらうことを狙いとする。

ネスレはアンバサダーマーケティングに積極的に取り組み、成功を収めている代表的な企業である。日本には約600万社の企業があり、そのオフィスで消費されているコーヒーは年間約120億杯とも言われている。当初、ネスレのオフィスでのコーヒー販売シェアはわずか3%だった。ネスレは、このマーケットの開拓に乗り出すために、アンバサダーマーケティングを実践したのだ。

ネスレでは、アンバサダーを「ネスカフェアンバサダー」と呼び、CMなどでも積極的にアピールしている。ネスカフェアンバサダーになるプロセスは、まずWEBからの申し込みを行うと、ネスレの担当者が職場に直接訪問する。そしてネスカフェアンバサダーについての説明を受けると、コーヒーマシンの無償レンタルが開始となるシステム。費用負担は、定期購入するコーヒー代のみである。

ネスカフェアンバサダーになるためには、いくつかの条件がある。まず、希望理由が明確であることが必要だ。ネスカフェ商品の愛飲者でなくとも、コーヒーそのものが好きであることが望ましい。また、コーヒーマシンを使用しているシーンの写真投稿やアンケートへの回答などのアンバサダーとしての役割も用意されている。

ネスレは、まず自社商品であるコーヒーマシンを顧客の負担なく導入させ、専用コーヒーの購入に結び付けることで利益と認知度を向上させた。職場にコーヒーマシンがあるだけでもネスカフェのファンの増加が見込めるが、さらにSNS投稿などを通してファン同士の交流が発生。発信された商品の魅力が新規開拓の役割を果たし、自社サイトへの流入やさらなるユーザーの拡大に繋がっているのだ。

2012年に50人限定で募集されたネスカフェアンバサダーには、約1000人の応募があった。そして、その後わずか4年で約28万人までその数は増加。この取り組みは、マーケティング業界でも圧倒的な支持を受け、2014年には「日本マーケティング大賞」を受賞している。

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