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業界2位を守り抜くモスの独自性

CATEGORY : ブランディング成功事例

UPDATE : 2019.12.25

文責 : 一筆太郎

この記事のポイント

業界2位を守り続ける、モスバーガーの手堅さ

「手作り、素材へのこだわり」という強いイメージ

中価格のポジショニングを徹底

業界2位を守り続ける、モスバーガーの手堅さ

ハンバーガー業界では、「マクドナルド」が一時期の不調からV字回復し好調をキープしている。

高級志向の新たなポジションを狙うハンバーガー店の出店が相次ぐなど、業界の競争自体は激化していると言えよう。

その中で、業界2位の地位を守り続けているのが「モスバーガー」である。
 
 
モスバーガーには、このところマクドナルドや業界3番手の「ファーストキッチン」などのように話題商品をヒットさせるような目立った動きはない。

しかし、モスバーガーは堅実な経営計画のもとに、売り上げ目標をほぼ達成し続けているという。さらに、ファストフード店の人気ランキングなどではマクドナルドを抑えてトップに立つこともあり、その人気ぶりは手堅いものがある。
 
 
 

「手作り、素材へのこだわり」という強いイメージ

その要因として挙げられるのが、モスバーガーの差別化戦略である。

モスバーガーブランドの独自性は、何よりも「おいしさ」を追求し続けるというもの。

多くのファストフード店が商品の提供スピードや価格にこだわるのに対して、モスバーガーは受注後に調理をスタートさせることで、できたての「手作り感」を追求している。

パティは、日本人の味の好みを考慮して、あえて牛と豚の「合い挽き」に。国産100%へのこだわりも、「日本人の好みにあったハンバーガーを提供する」という創業からの理念を貫いているからである。

また、バンズには全粒粉や国産小麦を配合し、レタスなどの食材は国内の農家とのネットワークから調達している。こうした食材へのこだわりは、ファストフード店の中では他の追随を許さない領域にある。
 

さらに、モスバーガーはフランチャイズ店の割合が高く、地域に密着した店舗展開や地域色豊かな商品開発を得意としている。

照り焼きチキンバーガーやモスライスバーガーなどの和風メニューを定番化する一方で、ご当地メニューなどでも日本人向けの味を追求している。

これもファストフード店にはない独自性と言えるだろう。
   
 
 

中価格のポジショニングを徹底

モスバーガーは現在、マクドナルドのような低価格路線とプレミアムなハンバーガーを提供する高級ハンバーガー店の高価格路線との間で、いわば「中価格」のポジションに位置している。

この「中価格路線」と「おいしさ」を追求する姿勢を守り続けている限りは、モスバーガーは他の既存店とも新しい高級ハンバーガー店とも競合することはないだろう。

つまり、この「ぶれない姿勢」によって、モスバーガーは長期的な差別化要因を確立させているのである。

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