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ネットフリックスの企業精神を作った男
初代CEOの「8つのルール」とは?

CATEGORY : ブランディング成功事例

UPDATE : 2020.04.28

文責 : SINCE.編集部

この記事のポイント

創業期を支えた初代CEOマーク・ランドルフ

ジェフ・ベゾスからの買収提案を断る

ランドルフ家の成功のルール

2020年4月21日、米ネットフリックスは2020年1〜3月期の純利益が前年同期比2.1倍の7億906万ドル(約764億円)となったことを発表。過去最高を2四半期ぶりに更新しました。

さらに、有料会員数も同社の予想を2倍上回り、9%(1577万人)増加したそうです。

新型コロナウイルスの感染を防ぐため家で過ごす人が増えたことが追い風となり、ネットフリックスの成長スピードはさらに加速しています。

ネットフリックスが如何に優れたビジネスモデルを構築し、マーケティング巧者であるかは様々なところで語り尽くされていますが、今回は一部で「ネットフリックスの影の存在」とも言われている人物について紹介したいと思います。
 
 
 

創業期を支えた初代CEOマーク・ランドルフ

ネットフリックスのCEO兼会長を務めるリード・ヘイスティングスは既に億万長者のビジネスマンとして全世界にその名が知られていますが、実はネットフリックスにはもう一人の創業者がいました。

その名も、マーク・ランドルフ。1997年、ヘイスティングスと一緒にネットフリックスを立ち上げると初代CEOを務め、IPOから1年後の2003年に同社を去った人です。

ネットフリックスがサブスクリプションサービスの王者となる前、彼らはオンラインのDVDレンタルサービス事業を展開し、レンタル業界に旋風を巻き起こしました。

レジの行列に並ぶ必要がなく、借りたい作品がレンタル中で借りられないといった不満を見事に払拭したサービスは凄まじい勢いで全米に広がり、当時レンタル企業の王者であったブロックバスターを破壊するほどのインパクトを生み出します。

この小さなスタートアップに脅威を感じたAmazon、ブロックバスター、ウォルマートの3大企業は様々な対策を用いてネットフリックスの勢いを止めようと画策しますが、ヘイスティングスとランドルフは知恵を出し合って危機を乗り越えて行きました。
 
 
 

ジェフ・ベゾスからの買収提案を断る

一時期はAmazonへの売却も考えたという二人は、実際にジェフ・ベゾスと面会し買収提案を受けたそうです。

しかし、ランドルフは「あの時は、企業規模が大きく、資金力も豊富なアマゾンに身売りすることが最善策のように思えた。その一方で、あと少しで何か大きなことを成し遂げられるという手ごたえもあり、今はまだ時期尚早だと考えた」と売却を踏みとどまり、自分たちで事業を成長させることを決断したのです。結果的にこの英断がネットフリックスの繁栄を現実のものとしました。

ネットフリックスのCEOとして創業期を支え、事業の飛躍的な成長を成功させたランドルフは現在、若き投資家たちの良きメンターとして活動しています。

そんなランドルフが自身のLinkedinに投稿した「成功の8つのルール」が非常に面白かったので紹介したいと思います。
 
 
 

ランドルフ家の成功のルール

これは、彼が21歳の時に父から手書きで渡されたものだと言います。ちなみに父はエンジニアで、祖先にはあの精神分析の先駆者ジークムント・フロイトと、アメリカで「広告・宣伝の父」と呼ばれるエドワード・バーネイズがいます。

父から渡されたメモには、8つのルールが書かれていました。

(1)Do at least 10 % more than you are asked.
→少なくとも言われたことより10%多くやれ

(2)Never, ever, to anybody present as fact opinions on things you don’t know. Takes great care and discipline.
→自分が知らないことを決して誰かに正しい意見として言ってはならない。十分に気を配って鍛錬しろ

(3)Be courteous and considerate always – up and down.
→目上の人にも目下の人にも、常に礼儀正しく思いやりを持て

(4)Don’t knock, don’t complain – stick to constructive, serious criticism.
→否定するな、文句を言うな。まじめで建設的な意見を言うようにしろ

(5)Don’t be afraid to make decisions when you have the facts on which to make them.
→確かな事実があるときは、決断することを恐るな

(6)Quantify where possible.
→出来る限り数値化しろ

(7)Be open-minded but skeptical.
→オープンマインドかつ懐疑的であれ

(8)Be prompt.
→急げ
 
 
ランドルフは8つのルールを頭に叩き込み、今でもこのメモを洗面所の鏡に貼り付けて見ているそうです。

彼がネットフリックスの企業文化に、この教えを植え付けたことは容易に想像がつきます。

同社の顧客の期待を超える精神、イノベーティブで革新的なサービス、数値化に対する異常なこだわり、圧倒的なスピード感などは、まさにランドルフ家のルールから生まれたものではないでしょうか。

ランドルフは投資家にネットフリックスのビジネスを語るたびに、「That Will Never Work(そんなの不可能だ)」と言われたそうです。それでも彼は8つのルールを胸に、不可能を可能に変えてきました。

詳しくはランドルフの著書『不可能を可能にせよ! NETFLIX 成功の流儀』に書かれていますので、興味のある方はぜひチェックしてみてください!

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