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なりたい自分は髪でつくる

CATEGORY : 今日の一筆

UPDATE : 2019.04.07

文責 : 一筆太郎

今日はT社長を僕が通っている美容室にお連れした。UMiTOSという表参道にある美容室で、砂原さん(ちょきみさん)という映画やテレビなどのショービジネスの現場でヘアメイクをする方が主宰している。この美容室が面白いのは、髪型で自分をプロデュースしてくれることだ。砂原さんは『なりたい自分は髪でつくる』という本を出しているのだけど、タイトルが示すとおり、なりたい自分を砂原さんは引き出してくれて、それに合わせたヘアスタイルをつくってくれる。

僕はだいたい月に一度は髪を切るのだけど、月に一度、なりたい自分と向き合えるというのはとても大切な時間だと思う。髪を切りに行って、自分に似合う(と自分が思い込んでいることが多い)髪型になって、サッパリして帰って来るというのが、UMiTOSと出会う前の美容室のイメージだった。まぁ当たり前だ。美容室は髪を切ってくれて、うまいところは似合うようにキレイに仕上げてくれる。そういうもんだと思っていたけど、UMiTOSは、というか砂原さんは違うのだ。ヘアメイクが超一流なのは、プロの現場で実証されている。蒼井優やオダギリジョーなど、さまざまな被写体となる人たちの専属メイクを務めている。似合うヘアをつくるのは当たり前で、状況やシーンに合わせたヘアを短時間でどうやってつくるかを問われ続けているのだ。だからか、砂原さんのカットは異常に短く終わる。僕の時は10分もかからなかった。それよりも大事なことは、会話をして、その人がどうなりたいのか見極めることなのだ。
 
T社長は若くてやり手の女性経営者である。砂原さんは会っていきなり「ヨーロッパよりもアメリカが好きなんじゃない?眉毛に出てる!(笑)」と言ってT社長を驚かせた。まさにT社長は今、ニューヨークにどハマりしているのだ。7月にニューヨークに行くことは決まっていて、もしかしたらニューヨークに出店してしまうかもしれないという勢いなのである。もともと特徴ある髪型だったけど、あっという間に洗練された強さと色気を加えてくれた。
 
髪を切り終わったT社長はとても喜んでくれた。そして、「何か重いものが取れた気がする」と言った。社員らを100人近く抱え、毎日経営課題と向き合っているのだ。いろいろな重いものを背負っていることは間違いない。その何かが少しでも軽くなったのは素晴らしいことだし、髪を切るという日常的な行為の中にそんなマジックがあるなんて最高じゃないかと僕は思った。
 
砂原さんがやっているのはブランディングに他ならない。自分の強みを生かして(差別化して)行き先を明確にして、自分を輝かせてくれる。何よりも自分というブランドを自分が好きになれるようにしてくれるのがうれしい。ブランドは磨き続けなければならないけど、好きになれなきゃ向き合いたくもなくなってしまうものだから。そんなことができる美容室はUMiTOSの他に僕は知らない。ディスカバーのある美容室なので、興味のある方はぜひ。

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