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最もらしい答えを出すのが、ブランディング会社の仕事ではない

CATEGORY : 今日の一筆

UPDATE : 2019.07.10

文責 : 一筆太郎

最もらしい答えを出すのが、ブランディング会社の仕事ではない。
 
一筆さんのやっているブランディングというのは、ほかのブランディング会社のブランディングとは違っていると思う。と、最近よく言われる。ブランディング会社が行うブランディングにはフレームワークがあって、汎用性があるものというかロジカルなものというか、良い意味でもっと画一的なものだという。それに比べて、僕がやっていることはフレームワークも汎用性もなく、なんだか無茶苦茶に見えるらしい。当事者である僕からすると、決して無茶苦茶でもなくて、論理的で筋が通っていると思っているのだけど、確かにフレームワークは必ずそれに従うわけでもないし逸脱することも多い。まわりの人から見ると、急にどこからともなくブランドのコアバリューやエッセンスのようなものが現れてくるように見えるのだという。
 
僕はブランディングは企業の利益を高めるものだと思っているし、そこにフォーカスしている。企業価値というとボヤけてしまいがちだけど、商品・サービスや採用や投資家や従業員や顧客との関係を良くして、売上を上げる。もしくは、利益を得る。そのためにブランディングはある。商品開発をするのも商品名をつけてパッケージをつくって売り方を考えるのもブランディングだけど、目的はマーケティングコストを削減して、売上を高めるためにやっていることだ。広告を打ちまくらなくても、割引セールをしなくても、インセンティブを渡さなくても、たくさんの人に買ってもらうにはどうすればいいか?その答えがブランディングにはあるのだと思う。
 
企業ブランディングであれば、例えば上場しようと考えているならば、投資家たちや金融機関、市場にどのような企業だと認識してもらうかを計算して表現する必要があるし、従業員満足度を高めたり、採用でより良い人がくるようにしたりするのもブランディングだけど、それらはすべて、企業が利益を得るためにやっていることに他ならない。
 
つまり、ブランディングには売上や利益というわかりやすい成果、結果がある。僕はそこに向き合いながらやっているつもりだ。そのためにはフレームワークに従う必要がなかったり、突拍子もないアイデアも必要になる。正しい答えは机上にあるのではなく、実行の中にある。だから、正解を時間をかけてつくるよりも、できる限り検証した仮説をもとに実行に移ることが何よりも大切だと思う。
 
ブランドは動き続けている。そして、動かしているのは人だ。ブランディング会社がやるべきことは最もらしい答えをつくることではない。動き続けているブランドが、より良い方向に進むように旗を降ることであり、明確な進むべき方向を指し示すことであり、圧倒的なスピードで濃度を高めながら進めるようにすることだと思う。そのためにブランドの中に入ったり外から見たり実行をともにすることがより高い結果へとつながるのではないだろうか。そんなことを考えながら、ブランディングという定義されにくい仕事を日々、行ってるつもりだ。

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