生まれてもう42年が経つけれど、
クリスマスにいい思い出はない。
二十歳を過ぎた頃、
僕はニューヨークに住んでいて
クリスマスイブの夜に
誘われたことがある。
グリニッチヴィレッジから
遠くない場所だったような気がするけど
あれはどこだったんだろう。
夜景がとても綺麗なのが印象的だった。
ハドソン川の前のベンチに座って
二人でそれをぼーっと見ていた。
綺麗だねぇなんて言っていたのかもしれない。
誘ってくれたのは2mを超える
巨漢のインドネシアの男だった。
何を話したかは覚えてないが
とにかく大きかった。立っても座っても大きい。
声も大きかった。
僕は彼がなぜ誘ったのかもわからず
暇だから一緒に行ったのだけど
あとになって彼が僕に恋心を抱いていたと知った。
クリスマスは恐ろしい。
と、そのとき思った。
そしてそれからも、
その思いが心のどこかに残っている。
このイメージを改善する方法はいくつかある。
たとえば、Coca Colaのやり方を参考にしてみる。
コカコーラは、Coke(コーク)と呼ばれている。コークには「石炭を空気のないところで燃やした残余物」という意味があり、コカインの別名でもある。
決して良い意味ではない。むしろとても悪いように見える。
だが、その意味を「スカッと爽やか」「爽やかテイスティー」と言い続けることによって、曲線的な形のボトルやシュワっとしたイメージを刷り込んでいくことによって、すっかりイメージを塗り替えてしまったのだ。
今や、コークと聞いてネガティブなイメージを持つ人の方がもはや少ないのではないだろうか。
スカッと爽やかコカコーラ。のようにイメージを塗り替えればいいのだ。
僕は『素晴らしき哉、人生!』という古い映画が大好きだ。もう何度観たことか。この映画は人生に絶望した男が、クリスマスに奇跡が起こって救われるという話で、僕は観るたびに大号泣してしまう。クリスマスのよいイメージソースの一つだ。
クリスマスは奇跡が起きてたくさんの人が救われるというイメージに置き換えてみたらどうだろう。クリスマスには必ず『素晴らしき哉、人生!』を観て、何か寄付をしてみたり、身近な人に身近な奇跡を起こしてみたりしてみる。すると、10年もそれを続けたら、クリスマスは「奇跡が起きてたくさんの人が救われる」というイメージに変わっているのではないだろうか。