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「インテル入ってる」は
ブランディングの一ジャンルを露わにした

CATEGORY : ブランディングを本に学ぶ

UPDATE : 2018.10.27

文責 : 一筆太郎

この記事のポイント

インテル・インサイドキャンペーンが、新たなブランディングのジャンルを露わにしたこと

本書ではイングリーディエント・ブランディングの理論的基礎と成功事例、全容を学べるということ

コトラーのイノベーション・ブランド戦略
フィリップ・コトラー/ヴァルデマール・ファルチ著


 
 
インテル・インサイドキャンペーンは、ブランディングの一ジャンルを生み出すほどのインパクトがあった。イングリーディエント・ブランディングとか成分ブランディング、イン・ブランディングなどと呼ばれる。日本ではインテル入ってるという、なんとも最高な音の響きを持って日本語化され、多くの人が知ることになった。インテルが入ってると性能が良いのではないかと思った人も多いのではないだろうか。
 
 
イングリーディエント・ブランドは、ブランドの中のブランドという意味である。20世紀前半からイングリーディエント・ブランディングは存在した。だが、何と言っても80年代のインテル・インサイドキャンペーンがこのジャンルを露わにしたのだ。
 
 
インテル・インサイドキャンペーンについてはこちらでも取り上げている。当時、500万ドルの売上だったインテルが110万ドルもの投資を行って3年以上にもわたるキャンペーンを行ったのだ。多くの投資家たちは反対したが、それを押し切り、結果は歴史が証明しているように大成功を収めた。
 
 
コトラーは、本書でイングリーディエント・ブランディングの理論を説明し、インテル・インサイドキャンペーンの詳細な分析を行っている。そのほか、日本のシマノをはじめとする他の成功事例も紹介している。この本は隅から隅まで学ぶことができる。なんといってもイングリーディエント・ブランディングを方法として紹介してくれているのがうれしい。
 
 
目次を見れば、その内容が一目瞭然だ。

第1章 イングリーディエント・ブランディング
1.1 イングリーディエント・ブランディングとは何か?
1.2 新しいブランド戦略?
1.3 この本で期待しうること

第2章 インブランディングの理論的基礎
 2.1 インブランディングの理論的基礎
 2.2 インブランディングの原理
 2.3 インブランディングの必須条件
 2.4 利益とリスク

第3章 インテル・インサイド — インブランドの成功事例

第4章 社内でのインブランディングの実行
 4.1 ブランドコンセプトの重要性
 4.2 インブランディングのブランド概念
 4.3 戦略上の選択肢
 4.4 コミュニケーション・ポリシー

第5章 インブランディングの成功例
 5.1 自動車部品
 5.2 繊維産業における繊維ブランディング
 5.3 ガラス:エッセンシャル コンポーネント
 5.4 食品業界の例

第6章 成功したインブランドの詳細な実例
 6.1 テフロン:インブランディングの基本
 6.2 ドルビー:イノベーションで産業界をリード
 6.3 テトラパック:機械メーカーが著名に
 6.4 ビトレックス:ネットワークアプローチの実行
 6.5 シマノ:潜在的なインブランディング
 6.6 マクロロン:先端材料
 6.7 DLP:顧客満足の徹底
 6.8 ショット・セラン:差別化による成功
 6.9 マイクロバン:納得のいく測定

第7章 インブランドのマネジメントとその評価
 7.1 インブランドのマネジメント
 7.2 ブランド評価の原理

第8章 成功したインブランディングの全体像
 
 
本書については、記事をいくつかに分けて、学びのポイントを拾っていきたいと思う。

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