Slackのロゴがリニューアルされた。僕はSlackを2015年ごろから日常的に使うようになったんじゃないかと思う。デジタル系のサービス開発には欠かせないコミュニケーションアプリだ。スマホでもよくタップするアイコンだったから、このロゴ変更にはちょっと違和感があった。やはり馴染みのものが変わってしまうのはどこか喪失感のようなものがあるのだろう。ロゴ変更が企業にとって大きな決断になるのは顧客への影響の大きさが一因することは間違いない。
なぜロゴをリニューアルしたか、オフィシャルBlogで丁寧に説明されている。それによると、リニューアルした理由は本来のロゴの役割を果たしていないからだという。そもそもSlackのロゴは創業前につくられたものであり、アイコンはシャープに似せたものだった。だが、このロゴは11色と色数が多く、背景色とのバランスなどで取扱の難しかった。その結果、いろいろなアイコンをつくることになり、イメージの統一というブランディングにおいて初歩的なことができなくなったのだそうだ。
Slackはチャンネルシステムでできているので、シャープマークはハッシュタグとして有効に機能していた。だが、インスタをはじめとするハッシュタグの一般化がSlackのシンボルとしての独自性を失わせてしまったのではないだろうか。今回のデザインはPentagramとSlackのデザインチームによるものだが、今回はカラーをブランドアイデンティティとしてうまく活用している。これまでの11色から4つの原色に変更し、独自のパープルをアクセントカラーとするだけでなく、スクリーン上でよりよく見えるように最適化されているのだ。つまり、文字やロゴマークを認識しなくとも、パープルを見るだけで、ユーザーはSlackを認識できるようになるというわけだ。
そう言われてみれば僕のスマホの中にたくさんあるアイコンの中で、このようなパープルは存在しない。最初は「ん?」と思ったけど、それが狙いだったようだ。しばらくしたらこのパープルがSlackを想起させるためのトリガーとなるのだろう。