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【リブランディングの成功事例】PBで「マツキヨらしさ」を明確にする

CATEGORY : ブランディング成功事例

UPDATE : 2019.12.18

文責 : 一筆太郎

この記事のポイント

PBのリニューアルで、顧客提供価値を明確に定義

コンセプトに合わない商品は販売終了にする

リニューアル後の商品の売上が6倍に伸長

ドラックストアを全国チェーン展開する「マツモトキヨシ」では、2013年に行われたアンケート調査において、消費者の自社に対する革新性や卓越性といったプラスイメージの低下が表面化。改革の必要性を迫られることになった。

マツモトキヨシが乗り出したのは、自社のプライベートブランド(以下、PB)のリブランディングだ。当時、マツモトキヨシには「MK CUSTOMER」というPBがあったが、店舗の認知率に対してPBの認知率は10分の1にも達していなかった。PBと言えば、当初はとにかく安さが重視される一方で、単にナショナルブランドに追随しただけのネーミングやパッケージなどこだわりのないものが多かったが、時は安さだけではなく品質訴求の時代に入っていた。

PBこそが競合との差別化、ストアブランドの向上を図る役割を果たすと考えたマツモトキヨシは、「MK CUSTOMER」をリブランディングし、新時代のPB「matsukiyo」を誕生させた。

まず、消費者に提供する価値を明確に定義。「美・健康に役立つ情報発信」「お客さんの思い」「確かな商品開発」「常識破り」とした。そして「matsukiyo」というブランドも「毎日の暮らしをより美しく、健やかに楽しく彩るアイデアを効かせたブランド」と定義。マツモトキヨシのPBは、デザイン性があり情緒的価値が付加され、それまでのPBとは一線を画したブランドに生まれ変わったのだ。

「matsukiyo」ブランドでは、商品カテゴリによって統一感を持たせるためのロゴやデザインを作成。デザインを監修する体制を構築し、商品のブランドコンセプトチェックを徹底的に行った。品質基準やブランドコンセプトに合わない商品には、ブランドロゴはつけずに展開し、必要に応じた見直しや、場合によっては販売終了にするなどの対応も迅速に行う。

また、ブランドの方向性が決まると、社内コミュニケーションや従業員教育の強化、ブランドブックの作成・配布など、必要とされる社内環境の整備も同時に進めたそうだ。

こうした取り組みの結果、「matsukiyo」ブランドの売上は順調な伸びを見せ、全売上に対するPB率も10%を超えた。商品別では、リニューアル後の売上が6倍を記録した商品もあると言う。マツモトキヨシは、以降も機能や情緒に特化した商品開発を進めている。

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