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【コンシューマーインサイトの成功事例(6)】男性客が来ないというIKEAの悩み

CATEGORY : ブランディング成功事例

UPDATE : 2019.04.17

文責 : 一筆太郎

この記事のポイント

IKEAの課題は男性客が少ないこと

男性客は座って待っている人が多いことが判明

MANLANDを設置して男性の満足に応える

オーストラリアに拠点を置くIKEA Australiaは、2010年当時、男性の利用客が少ないという課題を抱えていた。
 
当時、各家庭の買い物における男性の役割が増えつつあり、男性は小売業界の新たなターゲットとなっていた。しかし、売り場の構成や商品の訴求は依然として女性向けのものが多く、男性客向けの戦略を整備していくことが、小売業界全体の課題となっていたのだ。
 
それはIKEAでも同じ。彼らはガイドを作るなどの対応を行っていたが、「パートナーがIKEAに行きたがらない」という女性客の声が減らないため、男性客のインサイト調査を行った。
 
すると、男性客の中には店内をまわらず、座って待っている人が多数いることがわかった。しかも、座っているあいだ、ただ何もすることなく時間を潰していたのである。彼らはもともと長い時間をかけて買い物をすることがあまり好きではなかった。しかし、IKEAでは長時間の買い物を強いられるため、それが嫌ならひたすら暇な時間に耐える以外に術がなかったのである。また、このような男性と一緒に来店した女性も、男性がいないほうが自分のペースでゆっくり買い物できると感じていることがわかった。
 
そこでIKEAでは、こうした男性を買い物に参加させることを諦めた。そのかわりに、男性向けの雑誌やピンボール、テーブルサッカーなどを集めた「MÄNLAND」を設置し、男性が楽しく時間を潰せるようにしたのである。
 
この施策は父の日がある週末に実施され、結果として訪問客は前年同時期よりも8%増加したのだ。

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