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10/23
ロゴはブランドのものだと思ってはいけない

CATEGORY : 今日の一筆

UPDATE : 2018.10.23

文責 : 一筆太郎

新たにロゴを変えるプロジェクトが進行している。

 
ブランディングの会社なので
ふだんからロゴをつくることは多い。

だが、一口にロゴと言っても、プロジェクトによって様相はさまざまだ。

 
今日の案件は、全国に60店舗を展開する
エステサロンのロゴリニューアルである。

聞くところによると、新規の顧客が多く、
まだロゴやブランドの認知も高くはない。

社長をはじめ、経営陣は現状のロゴやひいてはブランドイメージ自体に
疑問を感じている。どうも野暮ったさを感じているようだ。
ロゴ自体のストーリーには絶対の自信を持っているが、洗練さが足りていない。
また、新たにスピード感という要素も加わっている。
 
 
ロゴの変更は、企業や事業にとって大きな意味を持つ。
大きな利益をあげるものもあれば、逆に負債を負うことだってある。
 
 
 
たとえば、ナイキは成功事例だと言えるだろう。
 
 

1978, nike


1985,nike


1995,nike

1978年のロゴではNIKEの文字がつけられていた。それが1985年には赤い色が加わり、さらにブランドイメージの刷り込みを強化する。それから10年後、1995年にはブランドイメージがSwooshだけで十分だということになり、文字はなくなってイメージのみになった。

 
 
逆に大きな負債を負ってしまった例として、GAPはあまりに有名だ。
 
 

1969


1984


2010


2010

 
1969年創業のGAPは、当初、theがつき、角度がついたロゴを使用していた。1984年に時代の変化に合わせてボックスロゴに変更する。小文字から大文字に変わり、細身で洗練された印象のセリフフォント、Spire Regularが用いられた。文字感があいているのは、この年代の特徴だったという。2000年に入って、2010年10月、GAPはよりコンテンポラリーなイメージを打ち出そうとロゴを変更する。セリフフォントからHelveticaにし、ボックスは小さく文字の右肩にグラデーションをかけて配置した。これに対して、消費者は大きく反発。ロゴは元のものに数日で戻された。これに伴う損害は100億円以上と言われている。

 
GAPはファッションブランドだけに時代の流行に敏感だったのだろう。時代のイメージとブランドイメージを合わせることに目を向けたが、消費者を置き去りにしてしまったことが大きな失敗となってしまった。

 
ロゴは長年使用されると、ブランドのものから消費者のものに変わってしまうことがあるのかもしれない。

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