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「インテル入っている」の凄さ
イングリーディエントブランディングの成功事例

CATEGORY : ブランディング成功事例

UPDATE : 2018.10.24

文責 : 一筆太郎

この記事のポイント

インテル・インサイドは業界全体を巻き込む戦略で大成功

自転車パーツで有名なシマノは、自転車をつくらなかったことで成功

インテル・インサイドは業界全体を巻き込む戦略で大成功

イングリーディエント・ブランディング(成分ブランディングとかインブランディングと呼ばれたりもする)の成功事例は、何と言ってもintelだ。インブランディング自体は古くからあるものだが、90年代にintelが決定的なものにした。
 
 
パソコンの部品メーカーでありながら圧倒的なブランド認知を誇り、世界のブランドランキングのトップ10にコカ・コーラ、ディズニー、マクドナルドといった錚々たるブランドと肩を並べてランクインするintel。彼らの成功を語る上で欠かせないのが、「インテル・インサイド」という革命である。

intelは1980年代から優れたメモリ・チップを生み出す企業として業界では一定の地位を獲得していた。

しかし、エンドユーザーにはintelというブランド名はおろか、優れたプロフセッサーのベネフィットすら十分に伝わっているとは言えなかった。intelは最新技術の開発や性能と信頼性の保証のために莫大な投資を費やしてきた歴史がある。この点を消費者にわかりやすく伝えるために、より強いブランドが必要だった。

彼らは当時の売上がまだ500万ドル程度だったときに、100万ドル以上もの予算を使って、マーケティング活動を開始。様々なリサーチや実験を経て、プロセッサーというコンピュータの奥深くに埋め込まれている部品の品質や優位性を消費者に正しく伝えるためには、コンピュータ・メーカーと協働する必要があると判断。

新しい広告のために「インテル・インサイド」という標語を打ち出すとともに、すべてのコンピュータ・メーカーに対し、インテルのロゴを含んだパソコンの印刷広告のために広告費を協力して負担すると提案した。

要するに、インテルのロゴを御社のパソコンに付けてくれさえすれば、格安で広告を打てるし、御社のパソコンが最新技術に支えられていることをアピールできますよ、という交渉を全メーカーに持ちかけたのだ。

当時、部品メーカーがエンドユーザーに対してマーケティングすることは明らかに新しいアイデアであり、マクドナルドと同じレベルで勝負することに疑問を呈するメディアもあった。

だが、蓋を開けてみれば結果は明快。1991年7月に開始したこのキャンペーンは、年末までに300ものメーカーが協力を表明することに。大々的な印刷広告とテレビCMなどでintelの名は一気に広まったのだ。実際、インテル・チップの認知度は1992年がパソコン購入者のおよそ22%だったのに対し、1994年には80%に急増した。

今やインテル・プロセッサーは数多くのパソコンメーカーで採用され、パソコンの品質を表現するマークのひとつとなっている。もはや「インテル・インサイド」の標語はロゴから取り除かれ、intelという文字だけで世界中の人々が彼らのメッセージを読み取ることができるのだ。

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自転車パーツで有名なシマノは、自転車をつくらなかったことで成功

シマノはインブランディングを成功させた世界を代表するブランドだ。

シマノは堺の町工場から自転車界のインテルと呼ばれるまでに急速な成長を遂げた。今や自転車部品で70%以上のマーケットシェアを誇る

1921年に島野庄三郎が大阪、堺市に創設。堺は鍛冶屋の中心だった。庄三郎は鉄工所の見習いとなり、自身の会社をスタートさせた。当初はホイールをつくっていたが、1956年に変速機の生産をはじめた。10段ギアの変速を可能にするシステムは、さらに改良されアメリカですぐにスタンダードとなる。

圧倒的な技術力と万全の生産体制で市場での力はさらに増していくが、シマノは決して自転車本体をつくらなかった。「決して顧客と競合してはならない」というのが創業者の伝えていた言葉だという。

加えて、シマノは自転車の部品メーカーでありながら、エンドユーザーに企業名を覚えてもらう機会をデザイン面で創出した。さらに、自転車レースというハイエンドな市場でシマノ製品が多用されたことで、趣味の自転車ユーザーの間でもシマノの認知度は高まり、シマノが搭載された自転車を選ぶようにある。

当然、自転車メーカー側もその需要に合わせてシマノの部品を自転車に搭載していく。

そして、自転車がレジャースポーツとして流行した1980年代に入ると、部品をカスタマイズして販売する専門自転車販売店が登場。同時に、壊れたパーツを取り替えるためのアフターマーケットが生まれる。

いわばエンドユーザーが自分の自転車に使う部品を自由に選べる場ができるのだが、そこで部品メーカーとして圧倒的なブランド力を保持しているのはシマノ一社のみ。当然、この新しいマーケットはシマノの独擅場となったのだ。

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