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ファーストクラスと自家用ジェットの“隙間”【ブルーオーシャン戦略の成功事例(4)】

CATEGORY : ブランディング成功事例

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UPDATE : 2018.12.07

文責 : 松山響

この記事のポイント

ネットジェッツ:プライベートジェット機のシェアで、高付加価値と低コストを実現

ブルーオーシャン戦略とは、競合のいない新しい市場を創造し、高付加価値商品・サービスを低コストで提供することで、利潤の最大化を実現する戦略のこと。

既存の競争が激しいレッド・オーシャンで商品・サービスを提供するのではなく、いかに競合がいない未開拓の市場=ブルー・オーシャンを発掘するかがこの戦略の鍵である。
 

プライベートジェット機のシェアで、
高付加価値と低コストを実現

アメリカのネットジェッツ社は、プライベートジェット市場で最大規模の売り上げを誇るトップ企業である。彼らもまた、ブルーオーシャンを創造して大きな成功を収めた。

ネットジェッツが登場するまで、富裕層の長距離移動の手段は、旅客機のファーストクラスを利用するかプライベートジェットを利用するかの二択だった。

旅客機は移動に時間がかかり、到着する空港の数も限られている。プライベートジェットは利便性が高いが、莫大なコストと維持費がかかるためごく一部の限られた人たちのマーケットとなっていた。

そこでネットジェッツが提供したのが、プライベートジェット機のシェアサービス。

利用者とジェット機を共有することで、低コストながらプライベートジェットの快適さが手に入るようにしたのだ。

価格は旅客機のファーストクラスよりは高いが、その価格を上回る価値に利用者が急増。小規模だったプライベートジェット市場に新規層を呼び込み、一気に数十億ドル規模のトップ企業へと躍り出たのである。

プライベートジェット機の最も優れた価値だけを提供し、その他の要素を徹底的に排除することでコストを抑える。ブルーオーシャン戦略のお手本のような事例だと言える。

なお、ネットジェッツの創業は1964年である。近年はAirbnbやUberなどシェアリングエコノミーが流行しているが、そのビジネスモデルを50年前に実践していたというのも驚きだ。

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