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カップヌードルの「ブランド力」活用術。
ブランド拡張の成功事例

CATEGORY : ブランディング成功事例

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UPDATE : 2019.07.05

文責 : 一筆太郎

この記事のポイント

ブランド拡張とは?

カップヌードルのブランド力を使って、インスタントごはんを展開

女性市場、シニア市場、プレミアム市場への横展開でも成功

ブランド拡張とは?

ブランド拡張とは、特定のカテゴリで定着しているブランド名を利用して、新しい製品を市場に投入すること。

そのブランド名が築き上げた資産を有効活用すれば、ゼロから新製品を生み出すよりも低コストで、よりアドバンテージを持った状態で新製品を市場に投入できるというメリットがある。
 
 
 

カップヌードルのブランド力を使って、インスタントごはんを展開

インスタントラーメンメーカーのパイオニア的存在である「日清食品」は、創業者が世界初のインスタントラーメン「チキンラーメン」を発明したことに始まった。1971年には、同じく創業者が世界初のカップ麺「カップヌードル」を開発。今や、80以上の国と地域で販売されている。

カップヌードルは、そのブランド力で新しい市場を開拓してきた。その1例がカップライス市場である。

日清食品は、1975年に「カップライス」、2009年に「GoFan」という2種類のカップライスを発売しているが、新しいブランドでの市場開拓は思うようにはいかなかった。しかし、2010年に発売された「カップヌードルごはん」はヒット商品となり、カップライス市場の開拓に成功。これは、カップヌードルのブランド力がテコになった結果に他ならない。


 
  
 

女性市場、シニア市場、プレミアム市場への横展開でも成功

また、カップ麺の市場は基本的に男性が中心である。

日清食品は、このカテゴリーでの女性市場の開拓を目的とした「カップヌードルライトプラス」を発売した。女性がカップ麺を避ける理由であるカロリーや脂質を抑え、食物繊維を加えたヘルシー志向のカップヌードルである。「ラタトゥイユ」と「バーニャカウダ」という女性の好みに特化したラインナップで、あくまでも「女性のためのカップヌードル」を生み出した。


 
 
さらにカップヌードルが狙ったのは、シニア市場とプレミアム市場だった。シニア層の嗜好を研究した結果を元に商品開発された「贅沢とろみフカヒレスープ味」は、従来のシリーズよりも高い価格設定を行い、成功を収めている。

日清食品は、国内でもいち早く「ブランドマネージャー制」を導入した企業である。

ブランドマネージャーには商品開発に関わる多くの権限が委譲され、社内ではブランド同士がしのぎを削り合っているという。カップヌードルのブランド拡張が成功し、長きにわたって人々から愛され続けている背景には、こうした企業文化があることも見逃せないポイントである。

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