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弱さには、戦略を

CATEGORY : 今日の一筆

UPDATE : 2019.01.04

文責 : 一筆太郎

こんなジョークがある。
 
「最強の軍隊は アメリカ人の将軍 ドイツ人の将校 日本人の下士官と兵 だな。じゃあ最弱は 中国人の将軍 日本人の参謀 ロシア人の将校 イタリア人の兵 かな?」
 
先進国の大学で、戦略や軍事と題した講義を開けない国は日本だけだという。この言葉は『戦略的思考とは何か』(岡崎久彦著/中公新書)に書かれている。1983年の初版だから、すでにこの言葉の効力は失われているのかもしれない。だが、少なくとも、1983年の段階でこのような状況であったことは大きな意味を持っているように思う。上記のジョークにあるような最強の日本人の兵と最弱だと揶揄される日本人の参謀には戦略的思考の有無が見え隠れしていそうだ。
 
戦略的思考は、戦争のような国家間の戦いだけではなく、企業間の戦いであるビジネスの場においても重要なファクターとなる。戦略的思考を持って戦っている企業が日本にどれだけあるのだろうか?僕はこれまで様々な企業の仕事をさせてもらってきたが、企業のトップが戦略を語る場面を見たことは数えるほどしかない。
 
戦略とは、マイケル・E・ポーターに言わせれば、継続的に企業が成長していくための方法であり、『戦略がすべて』の瀧本哲史は戦略は弱者のためのツールだと言う。弱者が勝つためには戦いのルール自体を変えたり、攻守を逆転したりして、大胆な転換を模索するしかない。
 
そもそも、人は弱い。と僕は思っている。ジャン・コクトーは「阿片」の中でこんなことを書いている。
 
敗北の美学のみが永続的だ。
敗北を解しないものは敗者だ。
人がもしこの極意を、この美学を、
この敗北の美学を理解しなかったら、
その人はなんにも理解しなかった人だ。
(堀口大学訳)

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