Branding Knowledgebase SINCE.

7/11
最もらしい答えを出すのが、ブランディング会社の仕事ではない。その2

CATEGORY : 今日の一筆

UPDATE : 2019.07.11

文責 : 一筆太郎

答えは、ブランドの中にある。
 
最近そう思い始めてきた。
 
 
ブランドオーナーは、外部であるブランディング会社にブランドをつくってほしいと依頼するわけで、そのとき、ブランドオーナーの心の中には「いい答え頼むよ!」という声が眠っている。いや、はっきりそう言われることもある。僕らは張り切って、いい答えを持って行こうともちろん頑張るわけだけど、僕は、その答えはブランドオーナー、ないしはブランドのスタッフが持っているのではないかと思うのだ。
 
 
たとえば、とある1兆円を超える企業からの相談があったときのこと。ホールディングスカンパニーの広報の方からの相談だったのだけど、自社にはたくさんのブランドがひしめき合っていて、社内の人たちは自分がホールディングスの会社に所属しているよりもブランドに属している意識がとても高いという。それはいいのだが、ホールディングスの広報として、IRやプレスリリースやホームページなど公式の会社としてのアウトプットは一貫性を持たせたいという相談だった。
 
 
そこで、広報チームのスタッフ10名ほどに集まってもらい、ワークショップを開催した。自分たちの会社の強みや弱み、雰囲気、ステークホルダーとどのような関係を結びたいか、などなどを出し合ってもらったのだ。とても優秀な社員の方々が揃っている会社だから優秀な答えがたくさん出た。だけど、それは少し偏っているようにも見えた。僕はそれを角度を変えて質問してみたり、言い換えてみたり、逆に遠くにあるものをかけてみたりしながら、たくさんの視点を得られないか探ってみた。そうすると、さらにたくさんのおもしろい答えの断片が広報チームの方々の口から出るようになったのだ。
 
 
最終的に、一貫性を持たせるためのゆるいコンセプトに落とし込むところまで、広報チームの方々はやってのけてしまったのだ。そうして出た答えは、決して最もらしい答えではない。自分たちの言葉として機能するコンセプトになる。
  

もちろん、それだけではない。基本的にはこちらが提案をして、議論をして進めていくことがほとんどだ。そうしたときも常に心がけているのは、ブランドの中にある言葉をいかに引き出すかなのだ。
 
 
以前にネーミングの神様と呼ばれる岩永嘉弘さんにお話を伺ったときに、はじめに言葉ありきだと言われた。ブランドのコアを考えるとき、考えているツールは言葉であり、コンセプトも言葉、それがネーミングになったりロゴになったりする。だから、はじめに言葉ありきなんだ。と岩永さんは言われたのだ。この、はじめの言葉は、ブランドが持っているものなんじゃないかと思う。もしかしたら例外があるのかもしれない。まだまだ経験を積み重ねないと確証は得られないが、答えはブランドの中にある。そう思い始めてきたのは、そういうものだけが強く機能しているように感じるからだろうか。ときに陳腐に見えるような言葉がとてつもないパワーを生む瞬間を見てきたことは自信を持って言える。
 

見せかけの、どこかからか持ち込まれた言葉を最もらしい答えと呼ぶのは語弊があるかもしれないが、そういう言葉が生きたことはない。

RELATED ARTICLE

ご相談ください お問い合わせ