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小売の輪【wheel of retaling】

CATEGORY : ブランディング用語集

UPDATE : 2019.07.29

文責 : 松山響

小売業態の発展とライフサイクルを説明する仮説理論。
1958年、アメリカの経営学者M.P.マックネア(M. P. McNair)によって提唱された。

アメリカでは19世紀後半以降、百貨店、チェーン・ストア、スーパーマーケット、ディスカウント・ストアなど、次々と新しい小売業態が登場するが、その多くが低価格を武器に参入していた。

しかし、価格競争が激化するとより多くの消費者を獲得するために、品揃えやサービスなどで他店との差別化を図らないといけない。

その過程においては、売場面積の拡大や店内施設の改善などが必要になるため、コスト増大や高マージンの獲得を不可避とし、消費者への低価格訴求は難しくなる。

結果としてディスカウンターではなくなったとき、新たなディスカウンターが登場して小売業界で躍進する。

こうしたライフサイクルを「小売の輪」と名付け、それが一回りするごとに新しい小売業者が登場し、業界が発展していくというのがこの理論の主張である。

なお、この仮説に対する反論としては、新しい小売形態は必ずしも低価格を武器に登場しない、消費者の店舗選択要素が無視されている、といったものがある。

ただ、アメリカの事例では確かに当てはまるものが多く、小売形態を予測する上で有効になりうる理論だと言える。

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